茶の湯について

茶の湯について

お茶の飲むという行為は、世界のいたるところで行われています。日本茶、中国茶、紅茶、チャイなど、飲み方も味わい方も製法もいろいろです。世界の多くのお茶は、飲み方や入れ方として発展し、広がりを見せてきました。しかし、日本は、武道、書道、華道と同様に、「茶道」という「道」として独特の発展を見せているのが特徴です。

珠光がはじめたわび茶が、利休によって、今の茶の湯の形になり今日まで引き継がれていますが、茶の湯とは、本来、抹茶を飲み楽しむことです。この抹茶を飲み楽しむために、日本では、「茶の湯」に関わるさまざまな生活文化が発達しました。

茶室や庭など住まいに関する文化や茶道具、掛け軸等を選んだり鑑賞したりする工芸の文化、また、茶事に出てくる懐石や和菓子をいただく食文化、お客さんを気持ちよくもてなすための点前作法の文化など、茶の湯は、一碗の茶を楽しむために、こうした趣向と工夫を凝らしてきました。その茶の湯をさらに、精神な修養性や審美性を高めたものが、茶道と言われるものです。(10*)茶の湯が、総合芸術と言われるゆえんです。

現在、千利休の系譜として、それぞれ表千家、裏千家、武者小路千家と呼ばれ、いわゆる「三千家」を形づくっています。

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