学ぼう

私たちの生活の中でどこに活かされているかな?

では、人間関係を大切にするCHA文化ですが、私たちの生活の中でどこに活かされているのかを考えてみましょう。

茶の湯にみる人間関係を大切にする心

まず、茶の湯での体験を考えてみましょう。茶室の中で、亭主と客が相対して、亭主はお茶で客をもてなします。亭主は客に、客は亭主にそれぞれ気遣いながら茶の湯が進みます。亭主は、心を込めて、季節の花や掛け軸を揃えて、迎える場を整えます。また、おいしいお茶やお菓子も季節にあったものを揃えます。お茶碗を初めお茶のお道具も、客をもてなすために心を込めて用意します。

反対に、客は、亭主の心をこめたもてなしに対して、お菓子をおいしくいただき、茶をほめ、茶碗をほめ、お道具をほめ、お花や掛け軸をほめます。これらは、客が亭主に質問していくという、亭主と客のコミュニケーションで成立しています。茶の湯では、このようなもてなしの心とそれに応えていくコミュニケーションを通して、亭主と客という人間関係が作られていきます。換言すれば、茶の湯のあの茶室は、人間関係を作り上げていく装置としてうまく機能していると言えるでしょう。

自分自身を知ろう!

人間関係を考える前に、あるいは、社会の中のことを考える前に、まず、自分自身のことを知ることが大事です。自分自身を徹底分析する中で、自分と友だちとの関係、家族との関係、目上や目下の人との関係、社会との関係を自分自身がどう考えているのか、あるいは、どのような対応しているのかについて考え分析することで、逆に、自分と自分以外の人との関係が見えてきます。まずは、自分自身の徹底分析をやってみましょう!

友だちとの人間関係、家族との人間関係

自分自身を徹底分析したのち、「友だちとの関係で大切にしているものは何だろう?」と分析してみましょう。
例えば、

  • あいさつをする
  • 相手を思いやる気持ち
  • 大切にする
  • 尊敬する
  • 信頼する
  • 優しい気持ちをもつ
  • 大好きになる
  • 仲良くする、など

これらの大切にしていることと、CHA文化で伝えようとしている日本人の精神風土とつながる部分を探ってみましょう。 すると、人間関係を作っていく中で大事なことは、CHAで言っている「コミュニケーション」「おもてなしの心」「人間関係の形成」が、非常に大事な要素になっていることに子どもたちが気づくようにしていきます。

そんなに親しくない人との人間関係、社会の中での人間関係

 人間関係の中には、家族や友人のように親しい人間関係だけではなく、ちょっと見知っている人や近所の人、あるいは初対面の人など、そんなに親しくない人との人間関係があり、社会の中で生きていく上ではそうしたあまり親しくない人たちとの人間関係をうまく作っていくことがとても大切です。

 でも、日本人は、あまり親しくない人との人間関係を作ったり、その場の空気を作ったりすることに、昔からの知恵をもっています。例えば、あいさつ、会釈、人を迎えるときのちょっとした気遣いなどがあります。茶の湯で行われている風景は、日本人の人との付き合いの知恵の中に息づいていると言えます。

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