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お茶の効用

☆お茶にはどんな成分がふくまれているの?
★おもなものには、タンニン、カフェイン、ビタミンC、アミノ酸です。ほかに葉緑素もふくまれています。(『茶の湯 歴史と精神』p4 海士光朗 1999年 麻布文庫)
☆タンニンは、どんなやくめをしているの?
★お茶って、すこししぶいあじがするでしょう。そのしぶいあじを出しているのが、タンニンです。そして、タンニンはびょうきをおこすさいぼうをころしたり、なるべくガンにならないようにしたり、血がからだのなかで、ただしくながれるようにします。(『茶の湯 歴史と精神』p4 海士光朗 1999年 麻布文庫)
☆カフェインは、どんなやくめをするの?
★ねむいときに目がさめるようにお茶をのみます。(『茶の湯 歴史と精神』p4 海士光朗 1999年 麻布文庫)
☆ビタミンCは、どんなやくめをするの?
★かぜをひかないようにします。もうひとつは、血のなかのコレステロールがたかくならないようにします。コレステロールがたかくなると、びょうきになるからです。(『茶の湯 歴史と精神』p4 海士光朗 1999年 麻布文庫)
☆アミノ酸はどんなやくめをするの?
★お茶をおいしくします。(『茶の湯 歴史と精神』p4 海士光朗 1999年 麻布文庫)
☆むかし、お茶をのんでびょうきがなおったという人がいるの?
★1214年源実朝という人が、おさけをのみすぎてよってしまいました。つぎの日もきぶんがよくなりませんでした。これをきいた栄西が、お茶はよいくすりですよといって、実朝にお茶をすすめました。そうすると、きぶんがよくなり、実朝はよろこんだというはなしがあります。このことは『吾妻鏡』という本にかかれています。(『茶の文化史』p39 村井康彦 1979年 岩波書店)
☆ほかにもお茶がくすりになることがかいてある本があるの?
★栄西の『喫茶養生記』という本に、お茶をのむとながいきできるとかかれています。(『茶の文化史』p50 村井康彦 1979年 岩波書店)
☆お茶をのむと、どうしてながいきできるの?
★お茶のにがいあじを出すものが、しんぞうのちょうしをよくし、どんなびょうきでもなおるからと『喫茶養生記』にはかかれています。(『茶の文化史』p50 村井康彦 1979年 岩波書店)
☆外国の人で、お茶はくすりだといっている人がいるの?
★イタリア人のラムージオという人がかいた『航海記集成』という本に出てきます。その本は1559年に出された本です。そこには、お腹がすいたときに中国のお茶をのむと、あたまがいたいときやおなかがいたいとき、かんせつ(ほねとほねのつなぎめ)がいたいときなどに、お茶をのむと、いたみがとれるとかかれています。(『茶の世界史』p40 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
★1560年だいのポルトガルの人がかいた本には、野にはえている草をにると、湯がやや赤みがかって、その湯をのむと、くすりとしてのききめがあるとかいてあります。(『茶の世界史』p41 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
★2003年にアメリカで出された本『オックスフォード経済史事典』にも、お茶がびょうきをふせぎ、1740年からあとのイギリスでは、死ぬ人のわりあいが少なくなったのは、お茶のおかげであるというようなことがかかれています。また1600年だいの、びょうきについてのけんきゅうで、お茶にふくまれるポリフェノールが、びょうきにならないようにするききめがあることを、たしかめられたともかかれています。(『茶の世界史』p54-55 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
☆ポリフェノールってなあに?
★ポリフェノールというのは、がんにならないようにしたり、血がただしくながれるようにしたりするものです。ポリフェノールのなかにフラノボイドというのがあって、フラノボイドは紅茶にいちばん多くふくまれているといわれています。(『茶の世界史』p55 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
☆お茶がひろがっていったことと、お茶がくすりのやくめをはたしていることとかんけいがあるの?
★イギリスでは、はじめてお茶がはいってきて、みせでうられるようになったときから、お茶にはくすりのききめがあるということで、お茶のねだんがたかくてもみんながかっていました。(『茶の世界史』p57 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
★日本では、栄西の『喫茶養生記』という本のはじめに、お茶をのむとながいきができるとかいてあります。けれど、ながいきができるからお茶をのむということは、なかったといってもいいでしょう。この本にお茶をのむとなおるというびょうきに、「かっけ」が出てきますが、かっけだからお茶をのんだというはなしは出てきません。(『茶の世界史』p58 角山榮 2007年31版 中央公論新社)
☆今ではお茶が、なにかにきくといわれているの?
★緑茶にふくまれているカテキンが、ガンなどのびょうきにならないようにするといわれていて、栄西がお茶をのむと、ながいきできるといったことが正しかったといえます。(『茶の世界史』p58 角山榮 2007年31版 中央公論新社)

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