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茶の飲み方・いれ方

飲料としての茶

(1*p3)
「茶の湯」のもとになる飲料としての茶の呼称について、その発音は世界に2系統しか存在しない(村井康彦「茶の呼称の系統表」)という興味深い報告がある。「チャ・チャイ」系統と「テ・テー」系統である。

「チャ・チャイ」(広東省発)
ポルトガル・朝鮮・日本・モンゴル・インド・アラビア・ロシアからポーランド・イランからトルコ・ギリシャ・アルバニアなどへ
「テ・テー」(福建省発)
イギリス・フランス・イタリアなどへ

(中略)少なくとも「茶」は世界共通の語であった。茶は中国を源として世界各地に伝わり、それぞれの飲み方が工夫されていったのだ。

茶の形と飲み方

(1*p4-p5)
加工しおわった葉茶の形はさまざまで、茶の歴史でも、日本の「抹茶」や「煎茶」と同じようなものや違った形の茶がみられる。記録の上で先ずあらわれるのは中国漢時代の固形茶(団茶・餅茶)である。蒸した茶葉を固めた、いわゆる「団茶」だが、飲み方は時代によって一様ではない。時代別に大まかな違いを分類すると、
(1)中国。主に唐代。固形茶を粉末にして煮出して飲む。
(2)中国。主に宋代。固形茶または葉茶を粉末にして、茶碗に入れて湯を注ぎ、茶筅で点てる。
(3)中国。主に明代。茶葉を湯に浸して出し汁を飲む。
一方で、日本では、(1)の固形茶(団茶)が主として平安時代、(2)が鎌倉時代以降、現代まで、(3)の方法は、主に江戸時代以降、抹茶と共に現代まで続く方法だが、(1)は「煎じ茶」、(2)は「抹茶」、(3)は煎じないので淹茶だが、日本ではこれを「煎茶」と読んでいる。

参考文献

  1. 『よくわかる茶道の歴史』谷端昭夫、淡交社、2007年3月12日

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